東京・大崎に建つ寺院の本堂の建て替えです。寺院建築にとって屋根のかたちは命です。そこで、屋根の反りは、棟梁が原寸をおこし、関係者がその原寸にて確認し最終決定しました。
工事現場に原寸場という仮設の建物を建て、そこで棟梁が床一面にベニヤ板を敷き詰め、屋根の半分の原寸図を描きます。15mm角で2間の長さのヒノキ材を定規に用いて屋根の曲線を描き、それを元に屋根回りの納まりを決定していきます。
棟梁によって描かれた原寸図より、その他の部材の取り合いについて図面を作成します。社寺部との検討のもと、垂木はPC(プレキャスト・コンクリート)を用いることなったので、原寸図から寸法をあたり、型枠を製作し、工場で1本ずつ製作して取り付けました。
本堂の屋根は、寺院建築の命です。
宮大工の棟梁のもと、普段、木造で造られている屋根を、コンクリートで表現するのに苦労しましたが、原寸図通り緩やかに反り上がった屋根を完成させました。